「ラーメン1杯に2,200円って、正気ですか?」──そう思ったあなたにこそ、この記事を読んでほしいのです。入鹿TOKYO(イルカトウキョウ)は、ミシュランガイド東京でビブグルマンを4年連続獲得している、六本木の”事件”とも呼べるラーメン店。鶏・豚・海老・貝の4種をブレンドした「カルテットスープ」、イタリア産ポルチーニ茸の芳醇な香り、そしてトリュフで仕上げる味変──そのメニュー構成は、従来のラーメンの常識をことごとく覆します。この記事では、入鹿TOKYOのメニューを1品ずつ徹底的に解剖し、「何を頼むべきか」「なぜこの価格なのか」「東久留米本店とは何が違うのか」まで、余すところなくお伝えします。
・入鹿TOKYOの全メニューと価格(六本木店・東久留米本店)
・「カルテットスープ」の4種ブレンドの秘密と味わい方
・1,800円の基本メニューと2,200円のアルティメットの”差額の正体”
・初訪問で後悔しないためのオーダー戦略
入鹿TOKYOのメニューを語る前に|なぜこの店がラーメン界の”事件”なのか

AFURI・一燈・凪を渡り歩いた店主が辿り着いた「自分のラーメン」
入鹿TOKYOの店主は小川和弘氏。彼の経歴を知ると、このメニューが生まれた必然性が見えてきます。修業先はAFURI、凪、一燈という、いずれも東京ラーメンシーンの最前線を走る名店ばかり。AFURIで柚子塩の繊細さを、一燈で魚介の奥行きを、凪で煮干しの極限を学んだ小川氏は、2019年5月1日、東京都東久留米市に入鹿TOKYOを開業しました。住宅街のど真ん中という立地にもかかわらず、瞬く間に行列店へ。その評判を聞きつけた食通たちの熱望に応え、2021年10月10日には六本木にも出店。都心進出からわずか1年で、ミシュランガイド東京2023のビブグルマンに選出されるという快挙を成し遂げています。
ビブグルマン4年連続選出が証明する「価格以上の価値」
ミシュランのビブグルマンとは「価格以上の満足感がある料理」に与えられる評価です。星付きレストランとは異なり、コストパフォーマンスの高さが選出基準に含まれている点がポイント。入鹿TOKYOは2023年版から2026年版まで4年連続でこの称号を獲得しています。つまり、ミシュランの調査員が毎年訪れ、毎年「この価格でこの味は素晴らしい」と判断し続けているということです。ラーメン店がビブグルマンを獲得すること自体が珍しいなか、4年連続は異例中の異例。これは一過性の話題性ではなく、メニューの完成度が安定して高いことの証明にほかなりません。
「イルカ」という店名に込められたラーメンへの哲学
「入鹿TOKYO」と書いて「イルカトウキョウ」と読みます。ラーメン店としてはかなり異色の店名ですが、これは小川氏が「既存のラーメンの枠にとらわれない」という意思表示として選んだもの。運営会社の名前は株式会社GOLDEN DAWNing──「黄金の夜明け」です。ラーメンという日本の国民食に、フレンチやイタリアンの技法・食材を掛け合わせ、新しい夜明けを迎えさせる。その志は、メニューの随所に反映されています。ポルチーニ茸、トリュフ、柚子──和洋の食材が一杯の丼の中で共存する世界観は、店名の時点ですでに宣言されていたのです。
- 2019年5月:東久留米市に入鹿TOKYO本店オープン
- 2021年10月:六本木店オープン、都心進出
- 2022年11月:ミシュランガイド東京2023でビブグルマン初選出
- 2023年〜2026年:4年連続ビブグルマン獲得
入鹿TOKYOメニューの心臓部「カルテットスープ」とは何か
鶏・豚・海老・貝──4つの出汁を重ねる意味
入鹿TOKYOのすべてのメニューの土台にあるのが、カルテットスープと呼ばれる独自のスープです。「カルテット」は音楽用語で四重奏を意味し、その名の通り鶏・豚・海老・貝の4種類の出汁を個別に抽出してからブレンドしています。一般的なラーメン店では、鶏ガラと豚骨を一緒の寸胴で炊く「合わせ炊き」が主流ですが、入鹿TOKYOはそれぞれの素材を別々に炊き、最適な温度・時間で旨味を引き出してから合わせるという手法を取っています。これはフランス料理のフォン(出汁)の考え方に近く、素材ごとの個性を殺さずに複雑な味わいを構築する技術です。鶏のコクが最初に舌に触れ、豚の甘みが追いかけ、海老の香ばしさが鼻に抜け、貝のミネラル感が余韻を残す──この時間差で押し寄せる旨味の波こそ、入鹿TOKYOのメニューを唯一無二たらしめている要因です。
なぜ「ダブルスープ」ではなく「カルテット」なのか
ラーメン業界では2000年代に「ダブルスープ」が一世を風靡しました。動物系と魚介系の2種類のスープを別々に炊いて合わせるこの技法は、中華蕎麦とみ田や六厘舎などのつけ麺ブームとともに広まり、今では定番の手法です。しかし入鹿TOKYOは、そこからさらに一歩踏み込みました。2種ではなく4種。しかも魚介は使わず、海老と貝を独立させるという選択です。これは小川氏が修業先で学んだ「素材は細かく分けて扱うほど、個性を引き出せる」という信念の表れ。実際、海老と貝を一緒に炊くと貝の風味が海老に負けてしまいますが、別々に炊いて合わせることで、それぞれの旨味がきちんと主張するスープに仕上がっています。
カルテットスープが「ポルチーニ」と出会って化学反応を起こす瞬間
4種の出汁を合わせたカルテットスープは、単体でも十分に完成度の高い味わいです。しかし入鹿TOKYOのメニューが”事件”と呼ばれる理由は、ここにポルチーニ茸を合わせた瞬間に生まれます。ポルチーニはイタリア料理で「キノコの王様」と呼ばれる高級食材。その芳醇な香りは、乾燥させることでさらに凝縮されます。入鹿TOKYOでは、このポルチーニをオイルやペーストに加工し、カルテットスープに合わせることで、和の出汁にヨーロッパの森の香りが重なるという、唯一無二の味覚体験を生み出しています。ちなみに、ポルチーニ茸の旨味成分はグアニル酸が中心。鶏のイノシン酸、貝のコハク酸と合わさることで、旨味の相乗効果が発生し、単体の何倍もの旨味を感じられるのです。
旨味の相乗効果とは、異なる種類の旨味成分を組み合わせると、単独の場合の数倍〜十数倍の旨味を感じる現象のこと。入鹿TOKYOのカルテットスープは、グルタミン酸(昆布系)・イノシン酸(鶏・豚系)・グアニル酸(ポルチーニ系)・コハク酸(貝系)の4種の旨味成分が同時に存在する、旨味の”フルオーケストラ”状態です。
看板メニュー「ポルチーニ醤油らぁ麺」を徹底解剖する

1,800円で味わえるミシュランの味|基本構成と味わいの設計図
ポルチーニ醤油らぁ麺(1,800円)は、入鹿TOKYOの看板メニューにして、最も多くの客が注文する一杯です。カルテットスープに醤油ダレを合わせ、ポルチーニオイルを浮かべた構成。丼に顔を近づけた瞬間、醤油の香ばしさとポルチーニの森のような芳香が同時に鼻腔を満たします。スープを一口含むと、まず醤油のキレが舌先を刺激し、すぐに鶏と豚の動物系の厚みが広がり、後半に海老と貝の潮の風味がじわりと追いかけてくる。この多層的な味わいの設計が、ビブグルマン4年連続の実力です。価格は1,800円。都内のラーメン店の平均価格帯を考えると、ミシュラン選出店としては驚くほどリーズナブルと言えます。
「特製」にすべきか問題|+400円の内訳を検証する
ポルチーニ醤油らぁ麺には特製バージョン(+400円)が用意されています。チャーシューの追加、味玉、ワンタンなどがプラスされ、一杯の満足度が格段に上がる構成です。初訪問の方に多い悩みが「まず基本の1,800円を食べるべきか、最初から特製に行くべきか」というもの。結論から言えば、**初訪問こそ特製をおすすめします**。理由は、入鹿TOKYOのトッピングはスープとの相性を綿密に計算して設計されているため、特製の方がこの店のメニュー哲学をより正確に体験できるからです。ただし、スープの味をじっくり分析したいという「研究型」の方は、あえて基本メニューでスープと麺の関係性に集中するのも一つの手です。
ポルチーニワンタン醤油らぁ麺という”通の選択”
ポルチーニワンタン醤油らぁ麺は、基本のポルチーニ醤油にワンタンを加えたバリエーション。このメニューの魅力は、ワンタンの皮がスープを吸い込むことで生まれる、もう一つの食感の層です。つるりとした皮の中に包まれた餡を噛んだ瞬間、肉汁とカルテットスープが口の中で混ざり合い、ラーメンとは少し違う味わいのハーモニーが生まれます。「ポルチーニ醤油は食べたことがあるけれど、次は何を頼もう」と迷っているリピーターに特におすすめのメニューです。ワンタンはイタリア料理のラビオリにも通じる食文化で、イタリアン食材のポルチーニとの親和性は想像以上に高いのです。
「入鹿TOKYOはポルチーニ味のラーメン」と紹介されることがありますが、これは正確ではありません。ポルチーニはあくまで香りの要素であり、味の主役はカルテットスープの出汁です。ポルチーニだけが突出しているのではなく、4種の出汁の上にポルチーニの香りが「乗っている」というイメージが正しい理解です。
メニューのもう一つの柱「柚子塩らぁ麺」の奥深さ
AFURI仕込みの柚子使いが進化した一杯
柚子塩らぁ麺(1,800円)は、ポルチーニ醤油と並ぶ入鹿TOKYOのもう一つの看板メニューです。店主・小川氏の修業先であるAFURIは、柚子塩ラーメンで一世を風靡した名店。その系譜を受け継ぎながらも、入鹿TOKYOの柚子塩はカルテットスープという独自の土台の上に構築されている点で、まったく別の一杯に仕上がっています。AFURIの柚子塩が「爽やかさ」を前面に出すのに対し、入鹿TOKYOの柚子塩は、4種の出汁の複雑な旨味の上に柚子の酸味と香りが重なり、より重層的で奥行きのある味わいです。
塩ダレが引き出すカルテットスープの「素顔」
実は、入鹿TOKYOのメニューの中でカルテットスープの味をもっとも純粋に感じられるのは、醤油ではなく塩の方です。醤油ダレはそれ自体に強い風味があるため、スープの繊細なニュアンスをマスクしてしまう面があります。一方、塩ダレは素材の味を引き立てる調味料。鶏の澄んだコク、豚の甘み、海老の香ばしさ、貝のミネラル──4つの出汁の個性がくっきりと浮かび上がります。ラーメン通の間では「その店の実力を知りたければ塩を食え」と言われますが、入鹿TOKYOの塩らぁ麺(1,800円)は、まさにその格言を証明する一杯。柚子塩よりもさらにシンプルな構成で、スープの地力を直接感じることができます。
柚子塩と醤油、初訪問はどちらを選ぶべきか
入鹿TOKYOを初めて訪れる人が必ず直面する「ポルチーニ醤油か、柚子塩か」問題。SNSでも頻繁に議論されるこのテーマに、一つの指針を示します。「インパクト重視ならポルチーニ醤油、スープの本質を知りたいなら柚子塩」。ポルチーニ醤油は、ポルチーニの香りという明確な個性があるため、一口目から「他のラーメンとは違う」と感じやすい。対して柚子塩は、カルテットスープの繊細な味わいをじっくり味わえる設計なので、「なぜこのスープが評価されるのか」を理解しやすい。ちなみに、食べログの口コミを分析すると、初訪問者はポルチーニ醤油を選ぶ傾向が強く、2回目以降で柚子塩にたどり着く人が多いようです。
「エクストリーム柚子塩らぁ麺」2,200円の世界
柚子塩らぁ麺の最上位メニューがエクストリーム柚子塩らぁ麺(2,200円・税込)です。基本の柚子塩に、厳選された高級食材のトッピングが加わり、一杯の丼が「料理作品」の領域に踏み込みます。2,200円という価格はラーメンとしては高額ですが、使われている食材の原価を考えると、むしろ良心的とさえ言えます。フレンチレストランで同等の食材を使ったスープを注文すれば、軽く5,000円は超えるでしょう。入鹿TOKYOの「エクストリーム」は、高級食材をラーメンという器で提供することで、圧倒的なコストパフォーマンスを実現しているのです。
| 項目 | ポルチーニ醤油系 | 柚子塩系 |
|---|---|---|
| 基本価格 | 1,800円 | 1,800円 |
| 最上位価格 | 2,200円(アルティメット) | 2,200円(エクストリーム) |
| 香りの主役 | ポルチーニ茸 | 柚子 |
| スープの印象 | 重厚・芳醇 | 繊細・爽快 |
| おすすめ層 | 初訪問・インパクト重視 | リピーター・スープ重視 |
「アルティメット」メニューは何が違うのか|2,200円の真実
「アルティメットポルチーニ醤油らぁ麺」──1,800円との決定的な差
アルティメットポルチーニ醤油らぁ麺(2,200円・税込)は、入鹿TOKYOメニューの最高峰に位置する一杯です。基本のポルチーニ醤油らぁ麺(1,800円)との差額は400円。この差額で何が変わるのか。まず、トッピングのグレードが全面的に引き上げられます。チャーシューはより厚切りで上質な部位が使われ、味玉、追加の具材が一杯の丼を埋め尽くします。さらに注目すべきは、トリュフペーストが添えられる点。このトリュフを途中でスープに溶かすことで、ポルチーニの森の香りにトリュフの大地の香りが加わり、味わいが劇的に変化します。一杯で「2つの味」を楽しめる設計は、2,200円という価格以上の体験価値をもたらしてくれるのです。
トリュフペーストによる「味変」の正しい楽しみ方
アルティメットに付属するトリュフペーストは、ラーメンにおける「味変」の概念を根本から変えるものです。通常のラーメン店で提供される味変アイテムといえば、酢、ラー油、ニンニク、胡椒あたりが定番。しかしトリュフペーストは、スープの味を「変える」のではなく「深化させる」という点で、まったく異なるアプローチです。おすすめの食べ方は、まず最初の3〜4口はトリュフを溶かさずにカルテットスープ+ポルチーニの味わいを堪能し、麺を半分ほど食べたところでトリュフペーストを少しずつ溶かしていく方法。一気に溶かすよりも、少量ずつ加えた方がスープの変化をグラデーションで楽しめます。最後のひとすすりまで飽きさせない、計算された構成なのです。
「高い」と感じるのは正しい?ラーメン1杯の原価率から考える
ラーメン1杯の原価率は一般的に30〜35%と言われています。つまり、800円のラーメンなら原価は240〜280円ほど。しかし入鹿TOKYOのアルティメットは、ポルチーニ茸、トリュフペースト、厳選された4種のスープ素材という高級食材を使用しているため、原価率はかなり高いと推測されます。ポルチーニ茸の乾燥品は100gあたり3,000〜5,000円、トリュフペーストも同等以上の価格帯です。これらを1杯ごとに使用していることを考えると、2,200円という価格は「高い」のではなく「高級食材を使って2,200円に抑えている」というのが実態に近いでしょう。フレンチやイタリアンの高級店で同じ食材を使った料理を頼めば、前菜1品で3,000円を超えることも珍しくありません。
ポルチーニ茸とトリュフは、どちらもキノコ類でありながら旨味成分の構成が異なります。ポルチーニはグアニル酸が主体で「森の深い香り」、トリュフはジメチルスルフィドを含む独特の芳香で「大地の官能的な香り」。この2つを同時に使うことで、キノコの持つ香りのスペクトルをフルに引き出しているのが入鹿TOKYOのアルティメットの真骨頂です。
メニューを支える麺・トッピング・サイドの実力
平打ちストレート麺に施された「角度」の秘密
入鹿TOKYOの麺は、平打ちストレートで、断面に角度をつけたカットが施されています。この「角度」こそが、入鹿TOKYOの麺の最大の特徴です。通常のストレート麺は断面が正方形か長方形ですが、入鹿TOKYOの麺は斜めにカットされることで、スープとの接触面積が増え、麺1本1本がより多くのスープを絡め取ります。平打ちにすることで唇に触れる面積が広がり、啜った瞬間の口当たりもなめらか。カルテットスープの繊細な味わいを損なわず、むしろ引き立てるために計算された形状なのです。太すぎず細すぎず、スープとの相性を最優先に設計された麺の加水率も、多加水寄りでモチモチとした食感を持ちながら、スープを吸いすぎないバランスが取られています。
チャーシューは「主役級の脇役」として設計されている
入鹿TOKYOのチャーシューは、スープの世界観を壊さないよう、あえて主張を控えめにしたタイプです。ラーメン店によっては、炙りチャーシューやスモークチャーシューなど、肉自体に強い風味を持たせる店もありますが、入鹿TOKYOは違います。しっとりとした低温調理のチャーシューは、噛むと肉の旨味がじわりと広がりますが、ポルチーニや柚子の香りを上書きしない。あくまでスープと麺が主役で、チャーシューは「主役を引き立てる名脇役」として機能しています。特製バージョンで追加されるチャーシューも同じ哲学で作られており、量が増えても味のバランスが崩れないのが見事です。
たまごかけごはん(400円)は「シメ」ではなく「第二幕」
入鹿TOKYOのサイドメニューで見逃せないのがたまごかけごはん(400円)です。このTKGは、残ったスープに浸して食べることを前提に設計されている──という説が常連の間でまことしやかに囁かれています。カルテットスープを残しておき、そこにTKGを少しずつ浸して食べると、卵黄のコクがスープと融合し、リゾットのような新しい味わいが生まれます。400円のサイドメニューが、一杯のラーメンを「2度楽しめる体験」に変えてくれるのです。なお、トリュフを使ったTKGも提供されることがあり、こちらはラーメンとは独立した一品料理として成立する完成度です。
| メニュー名 | 価格 |
|---|---|
| 醤油らぁ麺 | 1,800円 |
| 塩らぁ麺 | 1,800円 |
| ポルチーニ醤油らぁ麺 | 1,800円 |
| 柚子塩らぁ麺 | 1,800円 |
| 特製バージョン(各種) | +400円 |
| アルティメットポルチーニ醤油らぁ麺 | 2,200円(税込) |
| エクストリーム柚子塩らぁ麺 | 2,200円(税込) |
| たまごかけごはん | 400円 |
※価格は変更の可能性があります。最新情報は公式SNS等でご確認ください。
楽しみ方|初訪問からリピーターまでの攻略法
初訪問の「正解オーダー」は存在するのか
入鹿TOKYOを初めて訪れるとき、メニューを前にして迷わない人はいないでしょう。結論を先に言えば、「特製ポルチーニ醤油らぁ麺」+「たまごかけごはん」が、最も満足度の高い初訪問オーダーです。理由は3つ。第一に、ポルチーニ醤油はこの店の代名詞であり、まずは看板メニューで店の実力を測るのが王道であること。第二に、特製にすることでトッピングとスープの調和まで体験できること。第三に、TKGで残ったスープを最後まで楽しめること。予算は1,800円+400円+400円=2,600円。ビブグルマン認定のフルコース体験としては、破格と言えるでしょう。
2回目以降のリピーターが試すべきメニューの順番
初訪問でポルチーニ醤油を制覇したら、2回目は柚子塩らぁ麺に進むのが定石です。醤油と塩を両方食べることで、カルテットスープの奥行きを立体的に理解できます。3回目以降は、いよいよアルティメット(2,200円)の世界へ。基本メニューとの違いを知っているからこそ、トリュフペーストの味変効果やトッピングの意味が深く理解できます。4回目以降のヘビーリピーターには、あえて基本の醤油らぁ麺(1,800円)や塩らぁ麺(1,800円)を推奨します。ポルチーニも柚子もない、カルテットスープとタレだけの構成で食べると、この店のスープの実力が丸裸になります。
行列攻略|六本木店の混雑パターンと狙い目の時間帯
入鹿TOKYO六本木店は、特に週末を中心に行列が発生する人気店です。営業時間は火〜日の11:00〜20:00(L.O. 19:40)で、定休日は月曜日。六本木という土地柄、外国人観光客の来店も多く、ミシュラン掲載以降はその傾向が加速しています。比較的空いている時間帯は、平日の14:00〜16:00の中休けなしの通し営業時間帯。週末は開店直後の11:00に並ぶのが最も待ち時間が短い傾向にあります。アクセスは六本木駅7番出口から徒歩約2分と駅近で、雨の日でもストレスなく到着できる立地です。
「入鹿TOKYOは高級ラーメン店だから予算3,000円は覚悟すべき」と思っている方が少なくありませんが、実際の予算目安は1,800〜2,600円です。基本メニューのポルチーニ醤油らぁ麺は1,800円、醤油らぁ麺や塩らぁ麺も1,800円と、都内のラーメン店としては標準的な価格帯。アルティメットやエクストリーム(2,200円)はあくまで最上位メニューであり、基本メニューでも十分にビブグルマンの味を体験できます。
東久留米本店のメニューは六本木とまったく別物だった
月曜だけ開く「幻の本店」という営業スタイル
入鹿TOKYOの原点は六本木ではなく、東京都東久留米市にある本店です。しかし、この本店の営業形態は極めて特殊。店内での営業は月曜日のみで、しかも記帳制。他の曜日はテイクアウト専門として営業しています。つまり、六本木店の定休日である月曜日にだけ、本店で食べられるという構造。「六本木に行けない月曜日は東久留米へ」という選択肢が、コアなファンの間では定番になっています。週1日だけの営業に行列ができるという事実が、メニューの実力を何よりも雄弁に物語っています。
東久留米本店は「つけ麺専門」という衝撃
六本木店がらぁ麺を主軸にしているのに対し、東久留米本店のメニューはつけ麺のみという潔さ。特製ポルチーニしょうゆつけ麺(1,700円)、ポルチーニしょうゆつけ麺(1,150円)、山かけ柚子つけ麺(1,150円)などがラインナップされています。六本木店の「らぁ麺」と東久留米本店の「つけ麺」は、同じカルテットスープを使いながらも、まったく異なるアプローチで構築されたメニューです。つけ麺のスープは、らぁ麺よりも濃度を上げて作られており、冷たい麺を浸しても味がぼやけないよう設計されています。2023年9月からはメニューを「冷やしつけ麺」一本に絞るなど、常に進化を続けています。
桜エビのかき揚げごはんという「もう一つの主役」
東久留米本店のサイドメニューも侮れません。桜エビのかき揚げごはんは、つけ麺と並んで本店の名物となっています。サクサクのかき揚げに桜エビの風味が凝縮されており、つけ麺のスープに浸して食べれば、海老×海老の旨味の共演が楽しめます。カルテットスープに使われている海老の出汁と、桜エビのかき揚げが呼応し合うこの組み合わせは、本店でしか味わえない体験です。六本木店のTKGが「シメの第二幕」なら、東久留米本店のかき揚げごはんは「攻めのサイドメニュー」。この違いにも、2店舗のメニュー哲学の差が表れています。
| 項目 | 六本木店 | 東久留米本店 |
|---|---|---|
| 主力メニュー | らぁ麺 | つけ麺(冷やし) |
| 営業日 | 火〜日 | 月曜のみ(店内) |
| 価格帯 | 1,800〜2,200円 | 1,150〜1,700円 |
| 名物サイド | たまごかけごはん | 桜エビのかき揚げごはん |
| 入店方式 | 並び順 | 記帳制 |
まとめ|入鹿TOKYOのメニューは「ラーメンの再定義」そのものだった
入鹿TOKYOのメニューを一通り見渡して感じるのは、この店が「ラーメンとは何か」という問いに、一杯ごとに答え続けているということです。鶏・豚・海老・貝の4種を別々に炊いて合わせるカルテットスープ、イタリア産ポルチーニ茸の芳醇な香り、トリュフペーストによる味変という新概念。1,800円の基本メニューから2,200円のアルティメットまで、どの価格帯を選んでも「この店でしか食べられない味」が待っています。
AFURI・一燈・凧という名店で修業を積んだ小川和弘氏が、和と洋の食材を融合させて到達した境地。それが入鹿TOKYOのメニューの本質です。ミシュランのビブグルマンを4年連続で獲得している事実は、その完成度が一過性のものではないことを証明しています。
最後に、入鹿TOKYOのメニューを楽しむために押さえておきたいポイントを整理します。
- 初訪問は「特製ポルチーニ醤油らぁ麺」+「TKG」が最も満足度の高いオーダー(予算約2,600円)
- カルテットスープは鶏・豚・海老・貝の4種別炊きブレンド。旨味の相乗効果で唯一無二の味わい
- 基本メニューは1,800円で、ビブグルマンの味を手軽に体験できる
- アルティメット・エクストリーム(2,200円)はトリュフペーストの味変付き。「一杯で二度楽しい」設計
- 醤油系はインパクト重視、塩系はスープの本質を味わう設計。両方制覇してこそ入鹿TOKYOの真価がわかる
- 東久留米本店は月曜のみ営業でつけ麺専門。六本木とは完全に別メニュー
- 六本木店は火〜日の11:00〜20:00営業。六本木駅7番出口から徒歩約2分
まずは六本木店で看板のポルチーニ醤油を一杯。そこから始まるカルテットスープの世界は、あなたの「ラーメン観」を根底から覆してくれるはずです。
入鹿TOKYO 六本木の店舗情報
| 店名 | 入鹿TOKYO 六本木 |
| 住所 | 東京都港区六本木4-12-12 穂高ビル1F |
| 営業時間 | 11:00〜20:00(L.O.19:40) |
| 定休日 | 月曜日 |
| 公式サイト | https://ameblo.jp/malbo666/ |
あわせて読みたい

「ミシュランの星付きレストラン」と聞けば誰もがイメージできるのに、ビブグルマンと聞いてすぐにピンとくる人は意外と少ないのではないでしょうか。実はこのビブグルマン…

**麺屋鈴春**という店名を聞いて、ピンと来る方はかなりのラーメン通でしょう。東京・**本郷三丁目**にひっそりと構えるこの一軒が、休日には開店前に**100人…

ラーメンが「日本から世界へ」渡る時代はとっくに来ていました。でも、世界で磨かれたラーメンが日本に「帰ってくる」時代が来ていることに気づいている人は、まだ多くあり…

コメント