山形のラーメン好きに「辛味噌ラーメンの元祖はどこ?」と聞けば、多くの人が迷わず龍上海の名前を挙げます。丼の真ん中に鎮座する真っ赤なからみそ、箸で持ち上げるとずっしり重い太縮れ麺、煮干しの香りがふわりと立つ味噌スープ。一度でも写真を見たことがあれば、あの赤い小山は忘れられないはずです。
ただ、「龍上海って結局どんな店?」「からみそはいつ溶かすのが正解?」「本店以外にどこで食べられる?」と聞かれると、意外と答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、龍上海は1958年(昭和33年)に山形県南陽市の赤湯温泉の町で創業し、昭和35年に「辛味噌ラーメン」を生み出した店です。札幌ラーメンが全国に知られる10年以上前の出来事でした。
この記事では、公式サイトと新横浜ラーメン博物館の公式情報をもとに、龍上海の誕生秘話、一杯の構造、からみその溶かし方、メニューと価格、全7店舗の営業パターンまでを一気に解説します。読み終えるころには、カウンターで隣の客に蘊蓄をひとつ語れるようになっているはずです。
・龍上海が「からみその本家」と呼ばれる理由と、昭和35年の誕生秘話
・スープ・麺・からみその3層構造と、通がやる「徐々に溶かす」食べ方
・新横浜ラーメン博物館のメニュー価格と、しょうゆ系とからみそ系の違い
・全7店舗の営業時間・定休日の違いと、行って空振りしないための注意点
龍上海とは?赤湯温泉の町で60年以上続く「からみそ」の本家

「赤湯ラーメン」と「赤湯からみそラーメン」の二枚看板を持つ店
龍上海をひと言で説明するなら、赤湯ラーメン(しょうゆ)と赤湯からみそラーメンの2本柱で勝負する、山形・赤湯発祥のラーメン店です。公式サイトのタイトルにも「赤湯ラーメン、赤湯からみそラーメンの本家」と掲げられています。創業は1958年(昭和33年)7月、場所は温泉街として知られる山形県南陽市の赤湯。創業者は佐藤一美氏で、現在の運営会社は「有限会社 赤湯ラーメン 龍上海」です。赤湯という地名を冠したのは、温泉客や地元の人に「この町のラーメン」として親しまれてきた歴史の表れでしょう。店名に「上海」と入っているため中華料理店と思われがちですが、看板はあくまで2種類のラーメンです。名前の響きと中身のギャップも、初めて訪れる人が「へぇ」と言うポイントのひとつです。
運営会社の概要は龍上海公式サイトの会社概要ページで確認できます。
「赤湯からみそラーメン」は龍上海の登録商標
意外と知られていないのが、「赤湯ラーメン」「赤湯からみそラーメン」はどちらも龍上海の登録商標だという点です。公式サイトの全ページ下部に、その旨が明記されています。つまり「赤湯からみそ」という呼び名は、ご当地ジャンル名ではなく、龍上海というひとつの店が育てた固有のブランド名なのです。山形県内には辛味噌を添えたラーメンを出す店が数多くありますが、「赤湯からみそ」を名乗る正統はここだけ、という構図になります。札幌の「味噌ラーメン」や博多の「とんこつラーメン」のように地名が味のジャンルを指す例は多いですが、地名と店の商標が重なっているケースは珍しい部類です。ラーメン好き同士の会話で「赤湯系」と言うとき、その源流がたった1軒の店にたどり着くというのは、なかなか語りがいのある事実ではないでしょうか。
製麺から調理まで一貫した「自家製ラーメンの店」
龍上海の原点は、製麺から調理まで一貫した自家製ラーメンの店であることです。公式サイトの会社概要には、先代・佐藤一美氏が「製麺から調理まで一貫した『自家製ラーメンの店』として赤湯の町に創業しました」と書かれています。そして創業当初から評判を呼んだのが、独特の縮れた太い麺でした。公式は「たちまち評判になり、『龍上海』の名は瞬く間に県内に広がります」と振り返っています。からみその印象が強すぎて見落とされがちですが、龍上海はもともと「麺で名を上げた店」なのです。昭和30年代の地方都市で、製麺所から麺を仕入れずに自家製麺を貫くのは手間のかかる選択でした。その手間が、のちに味噌スープや辛味噌を受け止める土台になっていきます。食べるときは、からみそに気を取られる前に、まず麺を一口すすってみてください。
山形という「ラーメン県」の文脈で見ると面白い
龍上海の存在感は、山形という土地柄と切り離せません。公式サイトの会社概要では、山形県は「ラーメン消費量」が全国第1位の県として知られていると紹介され、その背景として「古くから日本蕎麦が有名で、麺類に慣れ親しむ風土が生まれたのではないか」と分析しています。そば文化の土地でラーメンが「支那そば」として愛され、他県からの来訪者にも「山形のラーメンは旨い」と評判だった――その時代の空気の中で龍上海は誕生しました。つまり龍上海は、ラーメンにうるさい県民に揉まれて育った店だと言えます。しょうゆ系のご当地ラーメンが多い山形で、「味噌×辛味噌」という軸を打ち立てたことが、龍上海の独自性を際立たせています。
昭和35年、残ったスープから辛味噌ラーメンが生まれた
開店当初はしょうゆラーメンの店だった
今でこそ「からみその店」の印象が強い龍上海ですが、開店当初のメインは普通のしょうゆラーメンでした。公式サイトの会社概要には「当時はメニューも普通の『しょうゆラーメン』がメインでした」とはっきり書かれています。さらに興味深いのは、開店当初は仕込んだスープの大半が売れ残ってしまったという告白です。新横浜ラーメン博物館の店舗紹介でも「当時は今の時代ほどラーメンは消費されず、仕込んだスープも大半が残ってしまう毎日でした」と紹介されています。いまや行列店として知られる店が、創業期には「スープが余る」悩みを抱えていたわけです。残ったスープは毎日、佐藤家の食卓にのぼりました。公式はこれを「私たちと残されたスープとの戦い」と表現しています。この戦いこそが、全国に知られる一杯の出発点になりました。
「味噌汁代わり」の工夫が新しいラーメンを生んだ
余ったスープを毎日食べるうちに、佐藤家ではスープに好みの薬味や調味料を加えて「味噌汁代わり」にするという工夫が生まれます。そして昭和35年のある日、先代・一美氏に「味噌味の全く新しいラーメンは出来ないだろうか」というアイデアが閃きました。これが公式の言う「辛味噌ラーメンの礎」です。面白いのは、公式サイトの「龍上海の歴史」ページでは、この誕生譚がもう少し別の角度からも語られていること。開店当時11歳だった息子の佐藤春美氏が、夕食で余ったスープに味噌を入れて食べていた時に「味噌汁にラーメンを入れる」ことを思いつき、それが辛味噌ラーメンを生むきっかけになった、という記述です。父と子、どちらのひらめきが先だったのかは公式の中でも語り口が分かれており、家族の食卓全体から生まれた一杯と読むのが自然でしょう。
誕生の経緯は公式サイト「龍上海の歴史」にも詳しく綴られています。
赤湯の「石焼南蛮」が辛さの正体
辛味噌ラーメンの試作で一美氏が目指したのは、赤湯地区で江戸時代から生産されていた「石焼南蛮」と秘伝の香辛料を使った辛い味噌ラーメンでした。公式のお品書きページでも、看板の「辛みそ」には赤湯産の唐辛子を使っていると説明されています。つまり龍上海のからみそは、単に辛さを足すための調味料ではなく、赤湯という土地の産物を一杯に落とし込んだものなのです。ラーメンの辛味といえば豆板醤やラー油を思い浮かべる人が多いですが、龍上海の辛さは中華の文脈ではなく、山形の在来の唐辛子文化から来ています。ここを押さえておくと、「赤湯からみそ」という名前に地名が入っている理由にも納得がいくはずです。試行錯誤の末に原型が完成し、この一杯が店の運命を変えていきました。
札幌ラーメンより10年以上早かったという事実
龍上海の公式サイトには、ラーメン史好きにはたまらない一文があります。「札幌ラーメンがその名を全国に知られるようになったのが昭和45年~46年頃ですから、この『辛味噌ラーメン』は、なんとその10年以上前には既に誕生していた」。味噌ラーメンといえば札幌、というのが一般的なイメージですが、辛味噌を添えた味噌ラーメンという形は、山形の赤湯で昭和35年にすでに生まれていたわけです。もちろん、札幌の味噌ラーメンそのものの誕生時期と、全国的に知られるようになった時期は別の話です。龍上海が比べているのはあくまで「全国区になった時期」であり、どちらが味噌ラーメンの元祖かという単純な勝ち負けの話ではありません。それでも、東北の温泉町で独自に味噌ラーメンが花開いていたという事実は、日本のラーメン史を立体的に見せてくれます。

味噌ラーメンといえば北海道、北海道といえば味噌ラーメン。この結びつきは、日本中のラーメン好きが疑いもなく受け入れている“常識”です。けれど、なぜ北の大地で味噌が…
- 江戸時代:赤湯地区で唐辛子「石焼南蛮」の生産が始まる
- 1958年(昭和33年)7月:佐藤一美氏が赤湯の町で龍上海を創業。しょうゆラーメンがメイン
- 昭和35年:余ったスープの工夫から「辛味噌ラーメン」が誕生
- 昭和45年~46年頃:札幌ラーメンが全国に知られるようになる(公式サイトの記述より)
- 現在:山形県内6店舗+新横浜ラーメン博物館の計7店舗で営業
赤湯からみそラーメンの一杯を「スープ・麺・からみそ」に分解する

スープは鶏ガラ中心、そこに煮干しの効いた味噌ダレ
龍上海のスープは、公式のお品書きによると鶏ガラを中心に、肉、魚介をふんだんに使い、じっくり丁寧に仕込んだものです。このベースは赤湯ラーメン(しょうゆ)と共通で、そこに味噌ダレを合わせたのがからみそラーメンになります。新横浜ラーメン博物館の解説では、もともとしょうゆラーメンのスープに味噌を入れて食べていたのが起源のため「煮干しのきいた味噌ラーメン」が誕生したと説明されています。味噌ダレは全国各地の様々な味噌をブレンドしたもの。丼に顔を近づけると、味噌の甘い香りの奥から煮干しの香ばしさが追いかけてきます。札幌系のラードで蓋をした熱々の味噌スープとは方向性が違い、和の出汁感が前に出るのが龍上海の味噌です。スープだけを先に一口飲むと、この「しょうゆラーメンの延長線上にある味噌」という出自がよくわかります。
「出前でも伸びない麺」として生まれた太い手揉み麺
龍上海の麺は、新横浜ラーメン博物館の解説によれば「土地柄、出前が多く、出前でも伸びない麺を…」という発想から生まれた太い平打ちの麺です。ボリュームは180gとたっぷりで、モチモチ・しこしこの食感の秘密は1玉1玉丁寧に手揉みされていることだといいます。公式のお品書きでも「手打ち麺はコシ強くモチモチしており、スープとより絡むよう良質の小麦粉を使い丹念に作っています」と紹介されています。出前文化が麺の形を決めたというのは、ラーメン史ではよくある話ですが、龍上海の場合はその麺がのちに濃厚な味噌スープと辛味噌を受け止める器になりました。細麺では辛味噌の重さに負けてしまうため、この太縮れ麺だからこそ成立する一杯なのです。麺の太さや縮れの違いが味の感じ方をどう変えるかを知っておくと、龍上海の設計がより深く味わえます。

スープの色でもチャーシューの厚みでもなく、実はラーメンの一杯の印象を最後に決めているのは「麺」だと知っていましたか。同じスープでも、麺の太さが0.5mm変わるだ…
中央の赤い小山「からみそ」は赤湯産唐辛子の塊
龍上海の代名詞が、丼の中央に配置された真っ赤な「からみそ」です。公式のお品書きでは「赤湯産の唐辛子を使った『辛みそ』を、濃厚で深い旨みのあるスープに溶かすことにより、更なる旨味を引き出します」と説明されています。ポイントは、からみそが最初からスープに溶かされておらず、食べる人が自分で溶かす量を決められることです。新横浜ラーメン博物館も「からみそラーメンを日本全国で評判になるほどに仕立て上げたのが、龍上海の代名詞である中央に位置する真っ赤な『からみそ』」と書いています。見た目のインパクト、辛さの自己調整、一杯の中での味の変化――この3つを1つの赤い塊で実現しているのが、龍上海のからみその発明性です。チャーシューやメンマ、ネギに囲まれた赤い小山は、写真映えという言葉が生まれるはるか前から、この店のアイコンでした。
「からみそラーメン=激辛ラーメン」と思われがちですが、龍上海のからみそは溶かさなければスープはほぼ辛くない味噌ラーメンのままです。辛さは食べる人が溶かす量で決まります。また、網走の「おろちょんラーメン」など他地域の辛味噌ラーメンとは発祥も成り立ちも別物で、「赤湯からみそ」は龍上海の登録商標です。

真っ赤なスープの上に、ピーマンとキクラゲが浮かんでいる。レンゲですくうと味噌の香りが立ち上り、一口飲んだ瞬間に額に汗がにじむ。看板には見慣れない四文字――「オロ…
中央のからみそはいつ溶かす?通がやる3段階の食べ方
一口目はからみそに触れず、スープと麺だけを味わう
龍上海の食べ方の基本は、最初の数口はからみそに触れないことです。新横浜ラーメン博物館の解説は「いきなり溶かすのではなく、徐々に溶かしながら食べるのが通の食べ方」とはっきり書いています。まずはレンゲでスープを一口。煮干しの効いた味噌スープの素の味を確かめます。次に麺を一口すすり、太い平打ち麺のモチモチ感とスープの絡み方を確認します。この「素の状態」を知っておくと、からみそを溶かしたあとの味の変化がくっきりわかります。辛味噌ラーメンの店で、最初から全部混ぜてしまうと、スープ本来の味を知らないまま食べ終えることになりがちです。龍上海のスープはしょうゆラーメンのスープから生まれた出自を持つため、からみそ抜きでも成立する完成度があります。最初の3口は「味噌ラーメン」として味わうのが、この一杯への敬意の払い方でしょう。
中盤からは箸で少しずつ崩し、辛さと旨味を足していく
スープと麺の素の味を確かめたら、箸でからみその端を少しだけ崩してスープに溶かす段階に入ります。博物館の解説にある「辛いのが苦手な方は少しだけ溶かして、と辛さが調節できるのがポイント」という一文が、この段階の核心です。からみそが溶けた部分のスープはオレンジ色に変わり、唐辛子の香りと味噌の甘みが一段濃くなります。この「溶けた部分」と「溶けていない部分」が丼の中に共存しているのが龍上海の楽しいところで、麺をどの位置からすくうかで一口ごとの辛さが変わります。溶かした部分の麺とそうでない部分の麺を交互に食べ比べるのも一興です。公式のお品書きが言うように、からみそはスープに溶かすことで「更なる旨味を引き出す」存在です。辛さを足すというより、旨味の層を1枚ずつ重ねていく感覚で崩していくのがコツです。
失敗パターン:最初に全部溶かして、辛さに押し切られる
龍上海で初心者がやりがちな失敗が、着丼直後にからみそを全部溶かしてしまうことです。赤い塊を見ると、つい混ぜたくなる気持ちはわかります。しかし一気に溶かすとスープ全体が辛味噌一色になり、煮干しの香りや味噌ダレのブレンドの妙が隠れてしまいます。辛いものが得意でない人は、後半に辛さが積み重なってスープを残す結果にもなりかねません。原因は「からみそは最初に混ぜる調味料」という思い込みです。対策はシンプルで、からみその3分の1ずつを目安に、3回に分けて溶かすこと。1回目は麺を半分食べたあたり、2回目は残り3分の1、3回目は最後のスープを飲む前、というペース配分なら、一杯の中で3種類の味を楽しめます。辛さに強い人でも、この段階を踏むことで龍上海が狙った「味の変化」を最大限に受け取れます。
①最初の数口:からみそに触れず、スープと麺の素の味を確認
②中盤:箸で端から少しずつ崩し、溶けた部分と溶けていない部分を食べ比べる
③終盤:好みの辛さまで溶かし切り、スープで締める
※辛いものが苦手な人は②で止めてもOK。辛さを自分で決められるのが龍上海のからみその本質です
メニューと価格|しょうゆ系とからみそ系、何が違う?

メニューは「しょうゆ」と「からみそ」の2系統で理解する
龍上海のメニューは、公式のお品書きを見ると「赤湯ラーメン(しょうゆ)」系と「赤湯からみそラーメン」系の2系統で構成されています。しょうゆ系は「深いコクと旨み、原点のしょうゆラーメン」、からみそ系は「人気ナンバーワンの看板ラーメン」と紹介されています。それぞれにチャーシューをたっぷり載せたチャーシューメン版があり、夏場には昔ながらの冷やし中華と、からみそを添えた冷やし中華も登場します。つまり龍上海のメニューは、ベースの味(しょうゆ/からみそ)×具の量(通常/チャーシュー増し)という掛け算で理解すると迷いません。ここで押さえておきたいのが、公式のお品書きに「店舗によって商品価格が異なります」と明記されていることです。本店と県内各店、新横浜ラーメン博物館では値段が同じとは限らないため、訪問前に各店で確認する前提で読んでください。
メニューの詳細は公式サイトのお品書きで確認できます。
新横浜ラーメン博物館の価格で比べるとこうなる
価格が公式に公開されているのが、新横浜ラーメン博物館内の店舗です。博物館の店舗ページによると、看板の赤湯からみそラーメンは1,100円、赤湯しょうゆラーメンは950円。チャーシューを増した赤湯からみそチャーシューメンは1,450円、赤湯しょうゆチャーシューメンは1,300円です。さらに博物館ならではのメニューとして、ミニからみそラーメン780円、赤湯しょうゆミニラーメン750円、ベジタリアンラーメン1,050円も用意されています。ミニサイズがあるのは、複数店舗を食べ歩く来館者が多い博物館ならではの配慮でしょう。ベジタリアンラーメンは、鶏ガラや魚介を使う通常のスープが食べられない人に向けた選択肢で、山形の店舗の公式お品書きには載っていないメニューです。
| 項目 | しょうゆ系 | からみそ系 |
|---|---|---|
| 公式の位置づけ | 原点のしょうゆラーメン | 人気ナンバーワンの看板 |
| 誕生 | 1958年の創業時から | 昭和35年 |
| 通常サイズ | 950円 | 1,100円 |
| チャーシューメン | 1,300円 | 1,450円 |
| ミニサイズ | 750円 | 780円 |
| 味の軸 | 鶏ガラ・肉・魚介のしょうゆ | 煮干しの効いた味噌+辛みそ |
価格の出典は新横浜ラーメン博物館の龍上海店舗ページです。山形県内の店舗の価格は公式サイトに掲載がないため、各店で確認してください。
チャーシューメンは「丼を覆いつくす」量が売り
龍上海のチャーシューは、公式のお品書きによると国産の豚バラ肉を特製の醤油でじっくり煮込んだものです。「トロトロのチャーシュー」と紹介されている通り、脂身の多いバラ肉ならではの柔らかさが持ち味です。からみそチャーシューメンについては「『からみそラーメン』に丼を覆いつくすほどのチャーシュー」「当店のオススメがすべてつまっているイチオシラーメン」と、店自ら太鼓判を押しています。面白いのは、公式が「ボリュームたっぷりですが、食欲を掻き立てる『辛みそ』でペロリと食べられる不思議」と書いている点です。バラ肉の脂の甘みと、からみその唐辛子の刺激は相性がよく、辛味噌が脂をさっぱりさせる役割を果たします。博物館の価格では、からみそラーメンとからみそチャーシューメンの差は350円。チャーシュー好きなら、差額を払う価値を感じやすい構成です。
暑い日に選びたい「からみそ冷やし中華」という隠れた名作
龍上海のメニューで見落とされがちなのが、冷やし中華の2種類です。公式のお品書きには「龍上海特製!昔ながらの冷やし中華!」と、「龍上海のからみそを組み合わせた冷やし中華」が並んでいます。後者は「特製ダレ」でスープと魚介の風味を合わせ、添えてある辛みそを溶かせば「さらにシャキッとした味わいが加わる」と説明されています。からみそを冷やし中華に応用するのは、温かいラーメンで培った「後から溶かして味を変える」発想を、そのまま夏の一皿に持ち込んだものと言えるでしょう。提供時期や価格は店舗によって異なる可能性があるため、夏場に訪れる場合は各店で確認するのが確実です。
龍上海の店舗一覧|全7店舗の営業時間・定休日と空振りしないコツ
赤湯の本店と、夜だけ開く栄町支店
龍上海の聖地は、南陽市赤湯にある龍上海赤湯本店です。公式の店舗案内によると営業時間は11:30~19:00、定休日は毎週水曜日(祝日の場合は翌日木曜)。昭和33年から続く創業の地で、ここで食べる一杯には「元祖を食べた」という特別な満足感があります。
| 住所 | 〒999-2231 山形県南陽市二色根6-18 |
| 電話番号 | 0238-43-2952 |
| 営業時間 | 11:30~19:00 |
| 定休日 | 毎週水曜日(祝日の場合は翌日木曜) |
| アクセス | 赤湯駅から車で約5分、徒歩約20分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
同じ赤湯の町にあるのが龍上海栄町支店です。こちらは営業時間が19:00~0:00と、本店と入れ替わるように夜に開くのが最大の特徴。温泉宿で夕食を済ませたあとの〆の一杯や、本店の営業に間に合わなかった人の受け皿になっています。同じ赤湯に「昼の本店」と「夜の支店」が並んでいるのは、温泉町ならではの時間設計と言えるでしょう。定休日は本店と同じ毎週水曜日です。
| 住所 | 〒999-2211 山形県南陽市赤湯420-12 |
| 電話番号 | 0238-43-6765 |
| 営業時間 | 19:00~0:00 |
| 定休日 | 毎週水曜日 |
| 公式サイト | 公式サイト |
米沢・東根・鶴岡、県内に広がる3店舗
赤湯以外の山形県内では、米沢店・東根店・鶴岡店の3店舗が営業しています。龍上海米沢店は営業時間11:30~19:00、定休日は毎週水曜日。赤湯と同じ置賜地方にあり、本店の定休日と重なる点には注意が必要です。
| 住所 | 〒992-0044 山形県米沢市春日4丁目4-6 |
| 電話番号 | 0238-21-8234 |
| 営業時間 | 11:30~19:00(水曜除く) |
| 定休日 | 毎週水曜日 |
| 公式サイト | 公式サイト |
龍上海東根店も営業時間11:30~19:00で、定休日は毎週水曜日と年末年始。公式の店舗案内には待合室と大型駐車場があると記載されています。
| 住所 | 〒999-3729 山形県東根市中央東3-9-28 |
| 電話番号 | 0237-53-6690 |
| 営業時間 | 11:30~19:00(水曜除く、年末年始除く) |
| 定休日 | 毎週水曜日、年末年始 |
| 駐車場 | 大型駐車場完備(大型車可) |
| 公式サイト | 公式サイト |
庄内地方の龍上海鶴岡店は営業時間11:30~19:00ですが、定休日が毎週木曜日(祝日の場合は翌日金曜日)と、ほかの店舗と異なります。席数は26席で、待合いスペースがあります。
| 住所 | 〒997-0025 山形県鶴岡市日出2丁目3-51 |
| 電話番号 | 0235-77-4000 |
| 営業時間 | 11:30~19:00(月・火・水・金・土・日) |
| 定休日 | 毎週木曜日(祝日の場合は翌日金曜日) |
| 駐車場 | 15台(大型車不可) |
| 公式サイト | 公式サイト |
平日昼だけの山大医学部前店と、首都圏の横浜店
山形市にある龍上海山大医学部前店は、営業時間が平日10:30~15:00で、定休日は毎週水曜日。公式の店舗案内には「麺・スープが無くなり次第終了」と明記されており、7店舗の中でもっとも食べられる時間が短い店です。
| 住所 | 〒990-2322 山形県山形市桜田南12-27 |
| 電話番号 | 023-631-4903 |
| 営業時間 | 平日10:30~15:00(麺・スープ売切れ次第終了) |
| 定休日 | 毎週水曜日 |
| 公式サイト | 公式サイト |
山形まで行けない人の救世主が、新横浜ラーメン博物館内の龍上海横浜店です。博物館内では「龍上海本店」の名で出店しており、営業時間と定休日は日によって変動するため、公式は博物館の営業時間を確認するよう案内しています。首都圏から龍上海の元祖からみそを味わえる唯一の拠点です。
| 住所 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 新横浜ラーメン博物館内 |
| 電話番号 | 045-471-0503 |
| 定休日 | 新横浜ラーメン博物館の営業日に準じる |
| 公式サイト | 公式サイト |
| 店舗 | 営業時間 | 定休日 |
|---|---|---|
| 赤湯本店 | 11:30~19:00 | 水曜(祝日の場合は翌日木曜) |
| 栄町支店 | 19:00~0:00 | 水曜 |
| 米沢店 | 11:30~19:00 | 水曜 |
| 東根店 | 11:30~19:00 | 水曜・年末年始 |
| 鶴岡店 | 11:30~19:00 | 木曜(祝日の場合は翌日金曜) |
| 山大医学部前店 | 平日10:30~15:00(売切れ次第終了) | 水曜 |
| 横浜店 | 博物館の営業に準じる | 博物館の営業に準じる |
店舗情報の出典は龍上海公式サイトの店舗案内です。
公式の店舗案内には「『山形駅前店』の赤湯ラーメン龍上海『姉妹店』からの除名決議案が、先日の本社取締役会において可決されました」「本社及び全店舗と『山形駅前店』とは一切無関係となりました」というお知らせが掲載されています。古いまとめ記事や地図アプリでは今も一店舗として表示されることがあるため、本家の味を食べたいなら公式の7店舗から選ぶのが確実です。
失敗パターン:水曜日に赤湯へ向かって全店休み
龍上海の訪問でもっとも多い失敗が、水曜日に赤湯まで行ってしまい、本店も栄町支店も閉まっているというケースです。公式の店舗案内を見ると、7店舗のうち赤湯本店・栄町支店・米沢店・東根店・山大医学部前店の5店舗が毎週水曜日定休。つまり水曜日は、山形県内で開いている龍上海が鶴岡店だけになります。原因は「ラーメン店の定休日は月曜か火曜が多い」という思い込みと、旅程を組むときに公式サイトを確認しないことです。対策は、旅程を決める段階で公式の店舗案内ページを開き、曜日を照合すること。水曜日しか動けない場合は、木曜定休の鶴岡店に振り替えるのが現実的な選択肢です。さらに本店は祝日の場合に翌日の木曜が休みになるため、祝日の翌日も要注意です。逆に「水曜以外なら大丈夫」と鶴岡店へ向かうと、今度は木曜定休に引っかかります。時間帯にも落とし穴があり、栄町支店は夜のみ、山大医学部前店は平日昼のみで売切れ次第終了です。公式サイトのトップページには、お盆やゴールデンウィーク、連休の営業に関するお知らせも掲載されるので、長期休暇シーズンはあわせて確認しておきましょう。
①曜日:5店舗は水曜定休、鶴岡店だけ木曜定休
②時間帯:栄町支店は夜のみ、山大医学部前店は平日昼のみ
③連休:お盆・GW・連休の営業は公式サイトのお知らせで確認
あなたに合う一杯はどれ?タイプ別の楽しみ方と意外な逆張り
初めての人は本店で「からみそ」を3段階で味わう
龍上海が初めてなら、やはり赤湯本店で赤湯からみそラーメンを食べるのが王道です。創業の地で看板の一杯を食べる体験は、ほかの店舗では代えがたいものがあります。食べ方は前述の3段階――最初はからみそに触れず、中盤から少しずつ崩し、終盤に好みの辛さまで溶かす――を意識してください。赤湯は温泉町なので、温泉に浸かったあとの一杯として組み込むと、旅全体の満足度が上がります。夜まで赤湯に滞在するなら、昼に本店、夜に栄町支店と、同じ町で2軒の龍上海をはしごする楽しみ方もあります。本店は昼、支店は夜という時間の住み分けがあるからこそできる、赤湯ならではのぜいたくです。からみそラーメンの誕生の舞台で、昭和35年の家族の食卓に思いを馳せながら食べる一杯は、ラーメン好きにとって特別な記憶になるでしょう。
首都圏の人は新横浜で「ミニ」を使って食べ比べ
山形まで行く時間がない首都圏の人には、新横浜ラーメン博物館の龍上海横浜店がおすすめです。博物館ならではの利点は、ミニからみそラーメン780円や赤湯しょうゆミニラーメン750円といったミニサイズがあること。ミニのからみそとミニのしょうゆを両方頼めば、龍上海の2本柱を一度に食べ比べられます。博物館の他店舗も回りたい人なら、ミニ1杯で龍上海を味わい、残りの胃袋を他の店に回す、という使い方もできます。ベジタリアンラーメン1,050円があるのも博物館店舗の特徴で、同行者に肉や魚介を食べない人がいる場合にも選択肢が生まれます。営業時間は博物館の営業日に準じるため、訪問前に博物館の公式サイトで開館状況を確認しておくと安心です。
実は「原点」はしょうゆ。2杯目は赤湯ラーメンを頼みたい理由
意外と知られていないけれど、龍上海を語るうえで見逃せないのが赤湯ラーメン(しょうゆ)の存在です。からみそばかりが注目されますが、公式のお品書きはしょうゆラーメンを「原点のしょうゆラーメン」「昔懐かしい、当店の定番ラーメン」と紹介しています。歴史を振り返れば、龍上海は創業時にしょうゆラーメンの店として始まり、そのスープが余ったことからからみそが生まれました。つまり、からみそラーメンのスープの土台はしょうゆラーメンと共通なのです。しょうゆラーメンを食べると、鶏ガラ・肉・魚介のスープと太い手揉み麺という「龍上海の骨格」が、辛味噌の刺激なしでまっすぐ伝わってきます。からみそを一度食べた人こそ、2回目はしょうゆを頼んでみてください。看板メニューの裏にある店の地力が見えてくるはずです。
からみそラーメンのスープは、しょうゆラーメンのスープに味噌を入れて食べていた家族の工夫から生まれました。つまり龍上海の2本柱は、別々の料理ではなく「同じスープの2つの表情」。しょうゆとからみそを食べ比べると、この兄弟関係が舌でわかります。
辛いものが苦手な人は「溶かさない」自由を使う
辛いものが苦手で龍上海を敬遠している人もいるかもしれませんが、実はからみそラーメンは辛さ控えめの人にも向いている一杯です。からみそは丼の中央に置かれているだけで、溶かさなければスープは煮干しの効いた味噌ラーメンのまま。博物館の解説にも「辛いのが苦手な方は少しだけ溶かして」とあるように、辛さの主導権は食べる側にあります。最初から辛さが決まっている激辛ラーメンとは発想が逆で、「辛くしない自由」があるのです。家族連れで子どもと一緒に訪れる場合や、辛さに自信がない同行者がいる場合でも、からみそを溶かさずに食べる、あるいはしょうゆの赤湯ラーメンを選ぶ、という選択ができます。龍上海のからみそは「辛さの押し付け」ではなく「辛さの選択肢」なのだと理解すると、この店の間口の広さが見えてきます。
まとめ
まずは公式サイトの店舗案内で行ける店の曜日と時間を確かめ、赤湯本店か新横浜のどちらかで、看板の赤湯からみそラーメンを「最初はからみそに触れずに」一口すすってみてください。
※営業時間・定休日・価格は2026年9月時点の公式情報をもとにしています。変更される場合があるため、訪問前に公式サイトでご確認ください。

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