王道家のラーメンは吉村家を「破門」されても貫いた一杯|清水裕正の壮絶人生と名店の全貌

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家系ラーメンの総本山「吉村家」で修行し、わずか1年で独立を認められた男がいます。清水裕正——王道家の創業者にして、家系ラーメンの歴史を語るうえで絶対に外せない存在です。2003年に千葉・柏で産声を上げた王道家は、「家系四天王」の一角に数えられるまでに成長。しかし2011年、弟子の未来を守るために自ら吉村家直系の看板を手放しました。この記事では、王道家のラーメンの味わい・メニュー・清水裕正という人間の物語・グループの全貌まで、余すところなく掘り下げます。

📌 この記事でわかること
・王道家のメニュー・価格・好みの注文方法
・清水裕正の壮絶な半生と吉村家「破門」の真相
・自家製麺に1,000万円以上を投じた理由
・王道家グループ全店舗・との丸家・王道乃印の全貌
・日清食品コラボカップ麺の裏側
目次

王道家とは|「家系の王道を行く確かな味」が意味すること

王道家とは|「家系の王道を行く確かな味」が意味することの解説画像

王道家(おうどうや)は、2003年1月に千葉県柏市で創業した家系ラーメンの名店です。家系ラーメンとは、1974年に横浜で吉村実が創業した「吉村家」を起点とする豚骨醤油ラーメンのジャンル。王道家はその吉村家で修行した清水裕正が開いた元・直系店であり、かつては杉田家・はじめ家・環2家と並ぶ「家系四天王」の一角に数えられていました。

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現在は吉村家の直系からは離れていますが、清水が掲げるのは「家系の王道を行く確かな味」。直系の看板がなくても、味と哲学で王道を歩む——その覚悟が店名に込められています。提携牧場から仕入れる良質な豚骨と鶏骨を惜しみなく使ったスープ、採算より味のクオリティを優先する姿勢、そして1,000万円以上を投じて開発した自家製麺。「本物の家系」を追求するその姿は、全国の家系ファンから圧倒的な支持を集めています。

2026年現在、王道家グループは直営店・弟子の独立店・フランチャイズ「との丸家」「王道乃印」を合わせて30店舗以上の規模に拡大。日清食品とのカップ麺コラボレーションも実現し、家系ラーメンの枠を超えた存在感を示しています。もはや「一軒のラーメン屋」ではなく、家系ラーメンの一大勢力です。

清水裕正という男|工場作業員から家系の頂点へ

王道家のラーメンを語るとき、清水裕正という人間を避けて通ることはできません。家系ラーメンの店主の中で、これほどドラマチックな人生を歩んだ人物は他にいないでしょう。TikTokで見せる明るい姿の裏には、壮絶な過去がありました。

両親不在の少年時代——弟を育てるために働いた青春

清水裕正は千葉県我孫子市・茨城県取手市周辺で育ちました。両親が不在という環境の中、年下の弟を養うために高校卒業後すぐに工場に就職。フォークリフトを操縦しながら、弟の高校の学費を稼ぐ日々を送りました。本人いわく、学生時代は「シャレにならないくらいのワル」だったとのこと。ラーメンとの出会いは高校時代。ラーメンショップで食べた一杯に衝撃を受け、それ以来さまざまなラーメンを食べ歩くようになります。やがて25歳のとき、「ラーメンで食っていく」と決意しました。

吉村家への弟子入り——1年間断られ続けた男

修行先として「吉村家」と「永福町大勝軒」の二択で悩んだ末、家系の総本山を選んだ清水。しかし、吉村実は1年間にわたって弟子入りを断り続けました。理由は意外なものでした。

「お前はいいオトコだから、根性がないだろ? だから続かないから」——吉村実

何度断られても通い続けた清水に、吉村がついに聞きます。「なぜラーメン屋をやりたいんだ?」。清水の答えは飾り気のないものでした。「お金が欲しいです」。この正直さが吉村の心を動かし、ついに入門が許可されます。条件は「休みなし、給料なし」。清水は「死ぬ気でやるので、一日も早く独立を認めてください」と直訴して修行を始めました。

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1日2,000杯・睡眠2時間——そして異例の1年独立

当時の吉村家は1日1,500〜2,000杯を売る超繁盛店。開店前の仕込みから閉店後の片付けまで、清水の睡眠は1日わずか2〜3時間という過酷な環境でした。朝の豚骨の仕込みから始まり、ピーク時は怒号が飛び交うカウンターの中で何百杯ものラーメンをさばき続ける。それでも清水は音を上げませんでした。

持ち前の体力と負けん気でわずか半年で全業務を習得。スープの炊き方、麺の茹で加減、醤油ダレの配合、そして吉村実が最も重視した「カウンターでの客あしらい」まで。入門からたった1年で独立を認められます。杉田家・はじめ家・環2家——のちに「四天王」と並び称される直系店の中でも、1年での独立は異例中の異例のスピードでした。

2003年、柏で開業——そして破門へ

2003年、柏で開業——そして破門への解説画像

最初の3年は「地獄」だった

2003年1月、28歳の清水は千葉県柏市旭町に吉村家直系「王道家」を開業します。「吉村家直系」の看板は強力で、オープン直後から客足は好調でした。しかし問題は味のほうにありました。吉村家のマニュアルをそのまま踏襲していただけで、自分の店の環境に応じた「スープの本質」を理解していなかったのです。水質も気温も客層も違う場所で、吉村家と同じことをしても同じ味にはならない。次第に客足は落ちていきます。

「吉村家の看板のおかげで、もう一度食べてみようと思ってもらえた」——清水はこの時期を振り返り、吉村家への感謝を口にしています。一からラーメン作りを見直し、約3年かけてようやく店を軌道に乗せました。味が安定すると弟子入り希望者も集まるようになり、王道家は名実ともに千葉を代表する家系ラーメン店へと成長していきます。

2011年「破門」の真相——弟子を見捨てられなかった

転機は2011年。王道家が吉村家の直系から離脱(事実上の破門)した出来事は、家系ラーメンの歴史に残る大きなニュースでした。表向きの理由は「酒井製麺の麺を使わず、自家製麺に切り替えた」こと。吉村家直系では、横浜の酒井製麺所の麺を使うことが不文律でした。

しかし本当の理由はもっと深いところにあります。吉村家には「直系店は1店舗のみを経営し、そこからの弟子の独立は認めない」という方針がありました。清水のもとには独立を夢見る弟子たちが何人も集まっていましたが、直系のままでは彼らを独立させることができない。何度掛け合っても方針は変わりませんでした。

「自分をここまでにしてくれたのは、紛れもなく吉村家。でも可愛い弟子たちを見捨てることもできません」——清水裕正

清水は吉村家への恩義弟子たちの未来を天秤にかけ、後者を選びました。直系の看板を失うことは、経営的には大きなリスクです。「吉村家直系」の文字がなくなれば、それだけで足が遠のく客もいる。それでも「自分が食べて本当に旨いと思える麺を作りたい」「弟子たちに道を開きたい」という二つの信念を貫いた。この決断が、現在の王道家グループ拡大の出発点となります。

なお、吉村家の直系では2015年に先輩弟子の鶴巻も破門されており、鶴巻はその後王道家グループに合流しています。皮肉にも、「弟子を大切にする」という清水の姿勢が、吉村家から離れた人材を引き寄せる求心力になったのです。

1,000万円超の投資——科学者のように麺を分析した

直系離脱で最大の課題となったのがです。酒井製麺の麺が使えなくなった清水は、複数の製麺所に同等品の製造を依頼しましたが、納得できる品質には届きませんでした。結果、自家製麺の道を選びます。

投資額は1,000万円以上。製麺機の導入だけでなく、小麦粉の配合・加水率・熟成時間を科学者のように数値化し、膨大な試作を重ねました。「濃厚なスープに負けない太さと食感」を追求した自家製麺は、いまや王道家のアイデンティティそのもの。清水本人は「完璧に納得のいった麺にはまだなっていない」と語り、今も研究を続けています。

家系ラーメンの系譜における王道家の位置づけ

家系ラーメンの世界を理解するには、「系譜」を知ることが不可欠です。すべての始まりは1974年に横浜市で創業した吉村家。ここから直系(吉村家で修行して独立した店)、壱系(壱六家から派生した武蔵家・町田商店などのチェーン展開型)、資本系(業態として家系を採用した企業)など、複数の流れが生まれました。

王道家は「元・直系」という唯一無二のポジションにいます。吉村家の正統な味を学びながらも、自家製麺と弟子育成のために独自路線を選んだ。直系でありながら直系を超えようとした——この矛盾が、王道家の存在を特別なものにしています。2026年現在の家系ラーメンの5大系譜(直系・壱系・武蔵家系・王道家系・資本系)の中で、「王道家系」として一つの系譜を成していることが、清水裕正と王道家の影響力の大きさを物語っています。

王道家のメニュー完全解説

ラーメン(取手本店850円〜)——すべての基準となる一杯

王道家の看板は、何をおいてもまずラーメンです。提携牧場から仕入れた豚骨と鶏骨をじっくり炊き上げた濃厚豚骨醤油スープに、清水がこだわり抜いた自家製太麺。具材はチャーシュー・ほうれん草・海苔3枚というシンプルな構成です。

スープをひと口すすると、まず感じるのは豚骨と鶏骨のダブルの旨味が層になって押し寄せるパンチ力。しかし後味はだらしなく残らず、醤油ダレのキレがスッと引いていく。この「パンチがあるのにキレがある」という相反する要素の両立が、王道家のスープの真骨頂です。麺は自家製の太麺で、濃厚スープをしっかり持ち上げる。家系の基本に忠実でありながら、スープの力強さは頭ひとつ抜けている——初回訪問ならまずこのラーメンで「王道家の基準線」を体に刻んでください。

メニュー取手本店備考
ラーメン850円基本の一杯
チャーシューメン燻製チャーシュー増量
野菜ラーメン950円キャベツ・もやし盛り
海苔玉ラーメン1,050円海苔増し+味玉
ネギラーメン白1,050円和風ネギ仕立て
ネギラーメン赤1,050円辛味噌ネギ仕立て
背脂ラーメン950円背脂増量でコク倍増
つけ麺950円濃厚つけ汁×自家製太麺
油そば850円汁なし系

※価格は取手本店(2026年6月時点の情報)。柏店は価格が異なる場合があります。最新の価格は公式メニューページでご確認ください。

チャーシューメン——「燻製チャーシュー」が王道家の武器

王道家のチャーシューメンは、ただチャーシューが増えるだけではありません。燻製チャーシューを使っているのが大きな特徴です。スモーキーな香りがスープの豚骨醤油と合わさると、奥行きのある味わいに変化します。チャーシューメンで「この店の実力」がわかると言っても過言ではないでしょう。初回はラーメンで基準を知り、2回目にチャーシューメンでその真価を味わう——これが王道家の正しい攻略法です。

つけ麺・油そば——家系の枠を超えた挑戦

吉村家直系時代にはなかったメニューがつけ麺油そばです。つけ麺は濃厚な豚骨醤油のつけ汁に自家製太麺を合わせた一品。家系のスープをつけ汁に仕立てることで、麺の小麦の風味がより際立ちます。油そばは汁なしで醤油ダレと背脂のコクを直接楽しめるスタイル。どちらも「家系の味の骨格」を守りつつ、独立したからこそできる自由な発想で生まれたメニューです。

トッピング&サイドメニュー&好みの注文

好みの注文——家系の醍醐味「麺の硬さ・味の濃さ・脂の量」

王道家でも家系ラーメンの伝統である「好みの注文」ができます。注文時に「麺の硬さ」「味の濃さ」「脂の量」をそれぞれ3段階から選択可能です。

項目選択肢初心者おすすめ
麺の硬さ柔らかめ/普通/硬め普通
味の濃さ薄め/普通/濃いめ普通
脂の量少なめ/普通/多め普通

初めての方はすべて「普通」で頼むのが鉄則です。王道家のスープは「普通」の状態で完成形になるよう設計されています。まずはその完成形を味わってから、2回目以降に自分好みにカスタマイズするのが通のアプローチ。常連に人気があるのは「麺硬め・味濃いめ・脂普通」の組み合わせで、自家製太麺のコシと濃厚スープのバランスが際立ちます。

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トッピング価格
チャーシュー追加(2枚)150円
味玉100円
海苔100円
ほうれん草100円
ネギ200円
キャベツ100円
きくらげ100円
メンマ100円
キムチ100円

ライス&丼物——家系ラーメンの〆はスープかけご飯

家系ラーメンといえばライスは必須のお供です。王道家ではライス120円(半ライス80円)のほか、丼メニューも充実しています。

サイドメニュー価格
ライス120円
半ライス80円
チャーシューライス220円
半チャーシューライス120円
玉子まぶし220円
半玉子まぶし120円
ネギ丼320円
ネギチャーシュー丼370円
餃子(3個)200円
餃子(5個)350円

海苔でスープとライスを包んで食べる「海苔巻きライス」は家系の王道の〆方です。やり方は簡単——海苔をスープに浸して柔らかくし、ライスの上に乗せてスープをかける。王道家の濃厚な豚骨醤油スープだからこそ、この食べ方が真価を発揮します。ライスを頼んでいなくても途中で追加注文できるので、スープを残すのがもったいないと感じたらぜひ試してみてください。

王道家の味の秘密|なぜ「家系最強」と呼ばれるのか

提携牧場の豚骨×鶏骨——採算度外視のスープ

王道家のスープが他の家系ラーメン店と一線を画す理由は、原材料へのこだわりにあります。提携牧場から仕入れた良質な豚骨と鶏骨を大量に使用し、「濃厚でキレのあるパンチ」が特徴のスープを炊き上げます。公式サイトにも「採算よりも味のクオリティを優先させる」と明記されており、原価率は一般的なラーメン店より明らかに高いと推測されます。

家系ラーメンのスープは「豚骨醤油」という共通項がありますが、その濃度や方向性は店によってまったく異なります。王道家のスープは動物系のパンチが前面に出つつ、後味にキレがあるのが特徴。これは質の高い骨を惜しみなく使い、炊き方を日々微調整しているからこそ実現できる味です。

自家製麺——「完璧ではない」から進化し続ける

酒井製麺の麺を使えなくなったことが、結果的に王道家の個性を際立たせました。1,000万円以上を投じて開発した自家製麺は、濃厚スープとの相性を徹底的に追求した太さと食感を持っています。小麦粉のブレンド比率・加水率・熟成時間を数値化し、日々の気温や湿度によって微調整する——ラーメン職人というより、もはや食品の研究者です。

しかし清水は「完璧に納得のいった麺にはまだなっていない」と語ります。開業から20年以上経った今でも麺の改良を続けているのです。この「終わりなき追求」の姿勢こそが、王道家の味を進化させ続けている原動力であり、弟子たちにも受け継がれている精神です。

🍜 ラーメン通の豆知識
吉村家直系では「酒井製麺所」の麺を使うのが不文律。しかし2011年に清水が自家製麺に切り替えたことで破門に。皮肉にも、この決断が「王道家の味=自家製麺」というブランドアイデンティティを生むことになりました。

王道家グループの全貌|直系弟子からフランチャイズまで

直系弟子の店舗——全国に広がる「王道」の味

清水が吉村家を離れた最大の理由は「弟子を独立させたい」でした。その信念の通り、王道家で修行した弟子たちは次々と独立。2026年現在、公式サイトに掲載されているグループ店舗は10店舗に上ります。

店名所在地定休日
王道家(柏)千葉県柏市明原1-7-26月曜
王道家 本店(取手)茨城県取手市寺田4988月曜
神道家千葉県野田市山崎2166-2月曜
とらきち家神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-1-1月曜
熊田家茨城県つくばみらい市細代538-1火曜
王道之印神奈川県横浜市磯子区上中里町669-1月曜
たつ家栃木県宇都宮市下栗町2281-2日曜
いしい千葉県千葉市中央区村田町893-115月曜
稲葉家岐阜県岐阜市上土居1丁目5-2月曜
クックら神奈川県相模原市南区相模大野5-27-5月曜

このほかにも、近江道家(滋賀県彦根市)や我道家(大阪・難波)など、公式サイトの一覧には載っていない王道家出身の弟子の店が各地に存在します。注目すべきは、弟子の独立先が関東だけでなく岐阜・滋賀・大阪・栃木と全国に広がっている点。「東京・横浜の外では本物の家系が食べられない」という時代を、王道家の弟子たちが変えつつあるのです。

さらに2023年には、弟子の石井が育てた弟子・福島が「上総家」を開業。これが清水が公認した初の「孫弟子」の店です。吉村家は孫弟子(弟子の弟子)を公認しない方針でしたが、清水はあえてその慣習を破りました。ここにも「弟子の独立を支援する」という清水の一貫した姿勢が表れています。王道家の系譜は、いま第三世代に突入しています。

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との丸家は「王道家直伝」を掲げるフランチャイズチェーンで、2021年の松飛台店を皮切りに2026年現在12店舗を展開する急成長ブランドです。千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木・山形と、関東を中心に北関東・東北まで勢力を広げています。王道家の味を受け継ぎつつ、朝6時から営業する八潮店や深夜1時まで営業する八千代店など、立地に応じた営業スタイルを採用しているのが特徴です。

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王道乃印——ロイヤリティ0%の革命的フランチャイズ

2020年代に清水が立ち上げた王道乃印(おうどうのしるし)は、さらに踏み込んだフランチャイズモデルです。最大の特徴はロイヤリティ0%。加盟金200万円(税別)と研修費30万円はかかりますが、毎月のロイヤリティが発生しないため、オーナーの利益が最大化される設計です。

募集定員は12名限定と少数精鋭。清水が「志を共にする同志」と位置づけるように、大量出店ではなく一店舗ずつ確実に成功させていく方針です。加盟のメリットは大きく3つ——①王道家の自家製麺を使用できること、②清水のSNS(TikTokフォロワー約3.7万人)による認知度の恩恵、③開店時に50〜100名以上の行列が見込めるブランド力です。公式サイトによれば既存全店舗が黒字経営を継続。物件決定からオープンまでの目安は2〜4ヶ月と、スピード感のある展開が可能です。

清水がフランチャイズにおいても「ロイヤリティ0%」にこだわる理由は明確です。オーナーの手元に利益が残らなければ、その店は長く続かない。長く続かない店は、「本物の家系ラーメンを全国に届ける」という清水の目標に反する。弟子を育てるときもフランチャイズを展開するときも、「相手が成功すること」を自分の成功の条件に置く——これが清水裕正の経営哲学です。

日清食品コラボ——カップ麺で全国に広がった王道家の味

王道家の知名度を全国区に押し上げたのが日清食品とのコラボレーションです。ラーメンYouTuberSUSURUとの共同企画で生まれた「SUSURUも唸る家系の名店 王道家 豚骨醤油ラーメン」は、コンビニ・スーパーで全国販売。さらに2026年2月には「王道家 超濃厚 家系豚骨醤油」のチルドタイプも関東地区で発売されました。

カップ麺の反響は大きく、「カップ麺で王道家を知って、実店舗に行ってみた」というファンが急増しました。もちろんカップ麺で実店舗の味を完全に再現することはできませんが、「家系ラーメンとはこういうものだ」というイメージの入口としては最適です。実はこのコラボも、清水が大切にする「本物の家系ラーメンをより多くの人に届けたい」という信念の延長線上にあります。SUSURUのYouTubeでの影響力と、日清の全国流通網。個人店では到達できないリーチを、コラボによって実現した好例です。

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清水裕正のSNS戦略|TikTokで「ラーメン屋の社長」が映る理由

清水裕正は家系ラーメンの店主としては珍しく、TikTok(@oudouya_ticktock)で積極的に情報発信をしています。フォロワー約3.7万人、総いいね数は78万超。ラーメンの仕込み風景、弟子とのやりとり、店の裏側——カウンター越しの「美味い・安い・面白い」という清水の理想を、SNSでも体現しています。

清水が理想とするのは、師匠・吉村実のスタイル。吉村はカウンターで「お客さん全員を笑わせていた」と清水は語ります。対面カウンター営業にこだわるのもその影響です。SNSはその「面白い」の部分を店の外にまで広げるツール。TikTokでバズった動画がきっかけで王道家を知る若い層も多く、従来の口コミに頼らない集客チャネルを確立しています。

王道家の店舗情報

王道家には「柏」と「取手本店」の2店舗があります。ややこしいのが名称で、取手のほうが「本店」を名乗っていますが、実際に清水裕正が店に立つのは柏店のほうです。これは王道家が2003年に柏で開業→2017年に取手へ移転→2019年に柏に戻った、という経緯によるもの。取手店は移転先として「本店」の名を引き継ぎ、柏店は創業の地に帰還した形です。どちらも正真正銘の王道家ですが、「清水社長に会いたい」なら柏、「車で行きたい」なら取手が目安になります。

柏店(清水裕正が立つ店)

店名王道家
住所千葉県柏市明原1-7-26
電話番号04-7140-0078
営業時間11:00〜25:00
定休日月曜日
アクセスJR柏駅西口 徒歩約4分
公式サイトoudouya.com
公式TikTok@oudouya_ticktock

取手本店

店名家系ラーメン 王道家 本店
住所茨城県取手市寺田4988
電話番号0297-79-6007
営業時間昼 10:45〜15:00 / 夜 18:00〜23:00
定休日月曜日
公式サイトグループ店舗情報

よくある質問

王道家は吉村家の直系ですか?

現在は直系ではありません。2003年の開業時は吉村家直系でしたが、2011年に自家製麺の導入と弟子の育成方針をめぐって直系から離脱しました。ただし、清水裕正は吉村家で修行した正統な弟子であり、家系ラーメンの味と精神は確かに受け継がれています。

柏と取手、どちらに行くべき?

清水裕正本人が店に立つ機会が多いのは柏店です。「清水社長のラーメンを食べたい」なら柏を選びましょう。一方、取手本店はロードサイド店舗で駐車場があり、車でのアクセスに便利です。メニューは取手本店のほうが若干充実しています。

初めてなら何を頼むべき?

ラーメン+好みすべて「普通」+ライスがベスト。まずは王道家のスープ・麺・具材の完成形を味わい、海苔巻きライスで〆てください。チャーシューメンやつけ麺は2回目以降の楽しみにとっておきましょう。

王道家のカップ麺はどこで買える?

日清食品とのコラボカップ麺「SUSURUも唸る家系の名店 王道家 豚骨醤油ラーメン」は全国のコンビニ・スーパー・Amazon・楽天で購入可能です。チルドタイプ「王道家 超濃厚 家系豚骨醤油」は関東限定販売です。

まとめ|王道家は「人間・清水裕正」を食べに行く店

王道家のラーメンが特別な理由を一言で言うなら、「清水裕正の人生そのものが一杯に詰まっている」からです。

  • 両親不在の環境で弟を育てながら、25歳でラーメンの道へ
  • 吉村家に1年断られ続け、「お金が欲しい」の一言で入門
  • 休みなし・給料なし・睡眠2時間の修行を経て、異例の1年独立
  • 弟子の未来を守るために、直系の看板を自ら手放した
  • 1,000万円以上を投じて自家製麺を開発し、今も「完璧ではない」と追求し続ける

メニューは基本のラーメン850円〜に始まり、燻製チャーシューメン、ネギラーメン、つけ麺、油そばと幅広く展開。好みの注文で自分だけの一杯にカスタマイズでき、海苔巻きライスで〆る楽しみも健在です。直系弟子の店は全国に広がり、との丸家12店舗、王道乃印のフランチャイズとグループは拡大を続けています。

家系ラーメンの「王道」とは何か。それは直系の看板でも、チェーン展開の規模でもない。「自分が旨いと思える味を、妥協なく追い続けること」——清水裕正がその半生で証明してきた答えは、柏のカウンターに座れば一杯のラーメンが教えてくれるはずです。

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ラーメンの「知らなかった!」を届ける雑学・トリビア特化メディア。スープの製法から麺の加水率、地域ごとの系譜まで、一杯の向こう側にある物語を掘り下げます。

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